DUCATI好きで自転車も好きならば、かなり琴線に響くであろう自転車をご紹介します。

 製作者のPeter Laibacher氏は、2014年現在49歳のドイツ人。自身の所有するDUCATI 750F1のフレームにインスパイアされ製作したとのこと。

 ブランド名であるPelagroの由来は、自身の名と姓から’Pe’と’La’を、出身地グロースボットヴァー(Großbottwar)から’Gro’を取って組み合わせたものと思われます。

Pelagro pb1

 2008年に作られたpb1のプロトタイプ。キャノンデールのヘッドショックを有しています。つまり、MTBです。

 市販版のpb1はフレームキット(あるいは完成車)で提供され、フレーム材は(意外にも?)アルミ、フレーム重量は2,600gとのこと。フォークなしの重量ですから、ちょっと重めですかね。構造の複雑さから考えたら、いたしかたないところ?従来の26インチホイール向けの他、最新トレンドである29er、650B(27.5)にも対応した計3種類のフレームが準備されています。

 価格はフレームのみ、アルミ地のままで1,190ユーロ、パウダーコート1色で1,250ユーロ(+60ユーロ)、ラッカー系ペイント1色追加で1,290ユーロ(+40ユーロ)。ハンドメイドであることを考えると、かなりリーズナブルではないでしょうか。

 キャストホイールを履かせた車両。
 10本スポーク・ホイール。

 6本スポーク・ホイール。

 製作者はロータス・エリーゼのオーナーでもあり、そのイメージを持たせたカラーリング。色以外が関連性は無いかな。

Pelagro pb2

 pb2はフルサスモデル。リアショックユニットは 95mmのストロークを持つ SR SUNTOUR EPICON。フレーム重量はショックユニット込みで2,950g。価格はアルミ地で1,450ユーロ、これに塗装を希望すると、ベースのパウダーコートが+60ユーロ(1色)、塗り分けのラッカーは1色につき+50ユーロが追加されます。

 電動アシストユニットと組み合わせた車両。

 欧米における電動アシストの速度規制は、日本に比べはるかに緩い国が多く、その重量増と引き換えにしても、プロライダーの脚力以上のパフォーマンスを発揮するモデルとなっています。(オートバイよりも環境負荷の(はるかに)低い、オートバイ寄りの交通手段の位置を狙っていると思われます。日本の場合、限りなく自転車寄り)

 さて以上でPelagroの紹介を終わりますが、本家DUCATIの自転車(ただし原動機付き)も紹介しておきましょう。有名なクッチョロです。

 クッチョロ(Cucciolo)は、弁護士で作家のアルド・ファリネッリ(Aldo Farinelli)が設計し、職工のアルド・レオーニ(Aldo Leoni)と共同で開発したという異色のエンジンでした。1943年、トリノのシアタ(SIATA)社で製品化されます。

 クッチョロは、戦後間もない日本でも活躍したポンポン(自転車に後付けする原動機)で、ポンポンは排気音から後付け補助エンジン全般に付けられたニックネームですが、クッチョロ(子犬)も排気音が子犬の鳴き声に似ていることからつけられたというのは有名です。

 この頃、まだ電機会社であったDUCATI社は、戦時中に受けた被害から立ち直れておらず、産業復興公社(IRI)の支援を受けいました。IRIの仲介で、1946年からクッチョロのOEM生産を引き受けます。これが市場でウケたので、翌47年にはDUCATIブランドで販売する権利を購入し、自社製品として、1958年まで13年間も造り続けるようになります。(電機会社だったDUCATIがオートバイ製造会社に転身するきっかけとなりました)

 この手のエンジンが、簡素な2ストであることが多い中(2ストの排ガスで服が汚れることが嫌がられた)、高級と言っていい4ストOHVを採用していました。そのOHVもプッシュロッドではなく、プルロッド式と特筆されています。プルロッドとは・・・?その構造はヘッド画像から分かります。当初はプルロッドの配置がハの字(左図)でしたが、後に平行(右図)に変更されています。

 実はこのクッチョロを見るたびに、元々の自転車の駆動系と後付けパーツとの関係がどうなっているのか気になっておりました。

 たとえば、下のホンダ製補助エンジンの場合、後付けパーツがどう機能するのか非常に分かりやすい。A型では、リアホイールにプーリーを取り付け、ベルトで回しています。

1947 Honda A-type

F型では、リアホイールにスプロットを取り付け、チェーンで回しています。元々の自転車が持つ駆動系(クランク、前後スプロケット、チェーン)はそのまま残され、独立して機能しています。

1952-54 Honda Cub F-type

 クッチョロの場合、クランクもキットに入っているものを使用しています。もちろん補助エンジンですから、本来の自転車としての機能も残してあるはずです。そのへんを後付けでどう処理しているのかなあ、と。

 最初の2年は48ccのエンジン単体のみの販売で、1948年から車体の製造も始めました。1952年にペダルを取り去り、排気量は60ccに上げらます。最終的には65ccまで上げられます。ムゼオに飾られているこのフレームは、1948年に最初に製造されたタイプです。

 イタルウイン(Italwin)というイタリアの電動アシスト自転車メーカーによるコラボ自転車。製造は台湾。レトロ路線のその名もクッチョロ。まさに現代のクッチョロと言うべき存在。ここはDUCATIコラボモデルを7種類も出しているが、すべてシティサイクル。

 個人が自身のDUCATI 996をイメージして作ったピスト。完成度高し。