2012年9月16日、ブラジル、リオグランデ・ド・スル州、サンタ・クルス・ド・スル・サーキットで行われた、GPガウチョ250cc・300ccクラスでの出来事。

 ニックネーム・カルンガ(Kalunga)で知られるブラジル人ライダー、マーリントン・ドス・レイス・テイシェイラ(Marlinton dos Reis Teixeira)は、レース中、ウエット路面のコーナーで転倒。

 すかさず立ち上がり、バイクを再始動しようとするも、おそらくシフトペダル周りの破損でバイクには乗れなくなった模様。

 すると何を思ったか、バイクを放り投げ、自らをコース上に横たえ、微動だにしなくなります。

 これは、コースマーシャルに赤旗を出させ、レースの中断、その後のレース中止あるいは再スタートを狙っての行動だったということですが、事情を知らないライダーたちが、自分のレースを捨て、自分のバイクを横倒しにしてまで、彼の救助に駆け寄る姿が悲しい限り。

 幸か不幸か、ご覧の通り、その一部始終がカメラに収められており、カルンガ選手には、レース統括団体により、選手権から追放の裁定が下ったとのこと。

 瞬時に気絶の振りの判断に至る抜け目のなさ、なかなかの迫真の演技に驚愕します。(以前にも同じ手を使っているのかも?)一連の行動は、茶目っ気があるというよりも、根本的な人格問題のように思われ、こういうことをしれっとできるタイプは、他のことでも卑怯な手を使っていそうで、レースのような人命にかかわる場合もある現場においては、うすら怖い存在ですね。

 以下、カルンガ選手の勇士です。

 大きなトロフィーを抱えているところを見るに、それなりの選手だったように見受けられます。
reis_teixeira01

reis_teixeira02

 ちなみにカルンガ選手が乗っていたのは、ブラジル・ホンダが製造販売するCB300Rというバイクです。さすがの私も初見ですね。
cb300r