RCドカティミーティング

1996/06/29

ドカミーティングで出会った素敵なドカたち

月刊バイク雑誌ライダーズクラブ主催ドカミーティングが1996年6月29日に那須スポーツランド(旧クシタニ・エキスプローラサーキット)でありました。

一日走って3万5千円、見てるだけなら3,500円(お菓子、飲み物、軽昼食つき)。これを高いとみるか、適切と見るかは一度走って見ないと分かりませんね。少なくとも見てるだけで3500円は高いんじゃないかな。

ちなみに私は自分のドカは家でバラバラになっていたので見学でした。
とにかく、他人のドカが活き活きとサーキットを走っているのをまざまざと見せつけられて、”早く家に帰ってく組み立てにゃあ~”と闘志に燃えさせられた一日でした。

自慢のドカが勢ぞろいの中で、特に気になったものをいくつかピックアップして紹介したいと思います。


ベースモデルは、おそらく851SP2でしょう。
主だった改造点は、見えるところではカーボン・アップタイプマフラー、ステップ回り、マービックホイールという定番で抑えていますが、注目はそのカラーリング。
あえて最初期型851のカラーリングをモチーフにしたところなんてセンスいいねぇ~。
それもそのままのカラーリングではなくてグリーンを中心にアレンジしてあるのもいい感じ。

(ただ、ヘルメットになぜかキューティーハニーが・・・!?)


奥の916セナも、”おっ、転ぶかもしれなのにいいの?”って感じですが、注目してもらいたいのは手前のシルバー。
ハリスのアルミツインスパーフレームに750F1のエンジンの組み合わせです!!

エンジンの調子が今ひとつらしく、さかんにレーシングしていました。(直管のメガホンマフラーが、もうそれがうるさいのなんのって)

こんなすごいの1台くらい持ってて、手ごずるってのもいいものですね。


すでに雑誌等に紹介されて、よく知られているオーバーレーシングのOV10Aです。

これはフルオプションで、リア回りが片持ちになっています。
OV10の第一印象はとにかく小さい。ベースモデルの900SLより一回り小さい感じ。まるで250クラス。

これはかっこいいですよ!ハンドメイドならではの質感がポジティブに表れた逸品です。
916を買うか、OV10Aにするか・・・そんな贅沢な選択で悩むことができる人はうらやましい限りです。


カーボン・ケブラー製のカウルを身にまとった916(955ccらしい)。

赤を一切使わなくとも、もうこれは一目見ただけでドカと分かる。
濃いブルーとイエローの使い方が秀逸ですね。


おっ!スーパーモノです。
スーパーモノのグラマラスぶりは実物を見なくちゃわかんない。

カーボン製のタンクが後ろに行くにつれ、びっくりするほどくびれていき、いったんキュッとしまったラインが、シートカウルでどーんとなまめかしく膨らみ、一気に一番後ろまで走り抜けている。
もうこれは、陳腐な言い回しであるけれどもグラマーな女性のアレですよ。

916もたしかに女性的であるけれども、鍛えぬかれたアスリートのボディです。セクシーというのはちょっと違う。


マイクヘイルウッドレプリカ改です。ベースはミッレでしょうか。
NCRライクなタンク一体型シートカウルは定番です。

この下の写真(↓)は、このMHRのコースにおける勇姿です。


“写るんです”ではこのくらいが限界ですね。
とにかく音がいいですね、ベベルは。


あらら・・・
なんだかリアホイールが外れてしまったようです。きちんと締め付けトルクをチェックしないうちに走り出してしまったのでしょうか。
このベベルはメカニック付きで来ていたのに・・・

マルコ・ルッキネリが来た!


 
このドカミーティング最大の目玉はゲストにマルコ・ルッキネリが来るということだ。
実は私の851のタンクにマルコのサインをもらおうと思っていたのだが、準備するのを忘れてしまった、残念。

ここでマルコ・ルッキネリを知らない人のために駆け足で紹介すると・・・
マルコ・ルッキネリは1981年スズキRGB500でWGPチャンプとなった。
この時のライバルはケニー・ロバーツだった。つまり真のウイナーであったわけだ。

翌年、ホンダワークス入りを果たし、NS500をフレディ、片山とともに駆る。

その後、パトロン、カジバのカスティリオーニの下、カジバワークス、ドゥカティワークス(マッキの750F1と初期の水冷8バルブを走らせた)のライダーを経て、ドゥカティワークスのチーム監督になる。
1990年、彼の監督下でドゥカティはスーパーバイク選手権を獲得する。

まさに輝かしい経歴だ。が、好事魔多し(?)、じつは1992年、マルコはコカイン濫用でイタリア警察に捕まっている。

しかし、そんなところも含め、どうにも憎めないんだよなぁ。

何よりマルコのすばらしいところは典型的なイタリアンであるということ。
女性に滅法サービスがよいいのも、期待を裏切らない・・・


ブレインのマシーンに試乗したに後、インプレッションを伝えている。
ダイネーゼのつなぎがこれまた似合う。


ライディングハウスのデモ車である916を駆るルッキネリ。
マルコの走りは、現役時代、大ケニーをして、あれで転ばないのは運がいいからと評したほどアグレッシブであったが、当日は残念ながらステディでした。(当たり前か)


ミーティングにおける右からネモケン氏(ライダーズクラブ主催)、村山モータース一のドカ通の山根氏、そして情熱のイタリアン、マルコ・ルッキネリ氏。

実は、はっきりってこのミーティングは不発だった。
通訳が十分でなかったこともあるが、はじめに根本氏が実はもう昨日マルコと語り尽くしてしまって、もう話すことはないと言っていたのが興ざめであった。それでは何のためのホストであろうか。
せっかく役者がそろっていたのに・・・
それでもマルコの終始、観客を楽しませようとする姿勢に好感が持てた。

最後に全員マルコから握手とともに、お土産のペナントを手渡ししてもらった。嬉しかった・・・

そのペナントには、なぜか”1st DUCATI DAY SUZUKA JUNE 29th 1996″ と入っている。
カジバ本社からのプレゼントらしいのだが・・・