現在、シュウインのブランドを保有するドレル‐パシフィックサイクルは、2017年モデルとしてスティングレイを復活させた。

日本の記事には、前回の復刻から10年ぶりとあったが、USの記事には、1998年、2004年、2008年、2011年、2013年に復刻されているとある。(結構、頻繁に作られている、焦って手に入れる必要はなし、と判断)

今回の復刻モデルは当然、中国製となる・・・台湾製では決してなく、本土の工場で作られたものであろう。(ところで、オリジナル・スティングレイは、すべて米国製だったのだろうか?爆発的な需要に対する供給は、日本での大量生産で支えられていたと聞くが・・・)

日本では、「謎の」自転車専門商社マルイ(タイオガと深く関係するこの会社については、後に題材にしたい)を通して、赤と黄色の2色が販売された。(US本国では赤と黄の他、緑、青、黒、限定モデルのグレーゴーストが設定されていた)

さて、その価格だが、日本では48,000円となっている。US本国での価格が気になるところであるが、ある時期のUSアマゾンを見ると実売で300ドル=約34,000円とあるのを見つけた。限定モデルのグレーゴーストはMSRPで$499(約56,500円)、実売$400(約45,000円)であった。

日本のアマゾンでの実売価格は平均で45,000円くらいか。USに比べ、ちょっとお高めに感じるが、USから手間と送料を掛けて持って来たくなるほどの差もなく、何とも絶妙な設定である。

2018年モデル

2018年モデルとしても継続販売されたが、内容にさしたる変更もなく価格だけ50,000円に値上がっている!!

赤、黄色のレギュラーラインの他、限定車のレモンピーラーも入荷しているが、レモンピーラーに至っては、さらに1万円高の6万円!!

ウォルマートのブラックフライデー・モデル

ブラックフライデーとは、感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日のことで、小売店が在庫一掃を名目とした出血セールを行う日として知られている。ウォルマートでは、殺到した大勢の客が激安商品を奪い合う醜い争いと、それを原因とした不幸な事故が起きることで有名である。

2007年のウォルマートのブラックフライデーでは、セール専用モデルであるが、スティングレイがわずか88ドルで売られた。(日本では9,999円の感覚か?)

ちなみに、UKでトイザらス専用モデルが、 £119.96(約18,000円)の20%OFFの£95.96で販売されてるのを見つけたが、これもセール価格だったのだろうか?

2013年 スティングレイ誕生50周年モデル “Fritz Fifty”

2013年には「50周年モデル」がナンバリングされた500台限定で世に出ている。

このニッケルメッキされたフレームを持つモデルは、1963年にスティングレイを産んだシュウイン副社長(当時)のアルバート・J・フリッツ(Albert John Fritz)にちなみ、”Fritz Fifty”と命名されている。

1924年シカゴ生まれのアル・フリッツは、軍を除隊したのち、1945年にシュウインに入社。当初は生産ライン工として働いていたが、1962年には副社長まで昇進。当時も今も奇想天外なスタイリングのスティングレイを世に出し、空前絶後のヒットに導いた。1985年、シュウインの関連会社で家庭用フィットネスマシンを売るエクセルシャー社のトップの地位で業界から引退した。

1963年から1968年までの間におよそ200万台ものスティングレイが販売されたと言われている。70年代に入ると自転車ブームに乗り、その勢いはさらに加速された。スティングレイの生産は1981年まで継続された。

1968年におけるシュウインの総生産台数は100万台であった

実はこの50周年モデルはそれ以上の意味を持っている。2013年5月、アル・フリッツは88歳で亡くなったのである。図らずもスティングレイ50周年を記念するモデルは、アル・フリッツを弔う役割も果たすことになった。