(3) OHV、SOHC、DOHC

 前回までに、原始的な存在であるSV(サイドバルブ)と、OHVに至るまでの過渡的な存在であったOHIV(オーバーヘッドインレットバルブ)について説明しました。

 OHV(オーバーヘッドバルブ)は、SVのもつ致命的な欠点を改善するために、燃焼室をよりコンパクトに、より流体的に理想的な形状になるよう考慮されたものです。

 一般的には、OHVの発展系としてSOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)、さらに発展したものとしてDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)、という流れで説明されることが多いですが、OHVもSOHCもDOHCもバルブが燃焼室の上で動いているという点で違いは無く、この稿では特に区切りをおかずに論じていきます

 私は、OHV、SOHC、DOHCの変遷は、より高いエンジン回転数(=効率=エンジンパワー)を実現するために、パーツの慣性重量を低減させるといった要求に対し、必然といえる単純な機械構造の変化に過ぎない・・・SVからOHVに変わったときほどのドラスティックな変化は無かった、と考えています。(実際、SVは消滅しましたが、21世紀の現在において、OHV、SOHC、DOHCのエンジンは共存しています)

 ただし、たとえばDOHCでなければ実現しなかった燃焼室の形状、バルブの数があるという事実は厳然と存在します。そういう点で、カムシャフトの位置と数も、燃焼室形状とバルブの数に関係していることを否定するものではないことをあらかじめお断りしておきます。

( a ) 2バルブ

ウエッジ型燃焼室

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wedge

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twisted-wedge

kidney01

kidney02

ヘロンヘッド

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piston_crown

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バスタブ型燃焼室

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bathtub

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angled_valve02

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コルベットZR1は、2008年1月のデトロイトモーターショーで初公開された最強グレード。「LS9」型6.2リットルV8にイートン製スーパーチャージャーを組み合わせ、638psもの最大出力を発生する。ドイツ、ニュルブルクリンクのラップタイムは、日産『GT-R』を上回る7分26秒04。これは現時点の市販車最速記録である。

シボレーが コルベット ZR1 09年モデルに新型LS9エンジンを搭載することになりました。このエンジンは、排気量6.2Lでスーパーチャージャー付V型8気筒エンジンです。
ゼネラルモーターズ(GM)が史上最高出力を誇るエンジン

イートン社製のツインスクリュータイプの機械式スーパーチャージャー、わずか3000回転で約300馬力の出力を発揮し、最大トルクは、807Nmととてつもないパワーと発表されています。

それによるとLS9は目標を上回る、最高出力638馬力(6500rpm)、最大トルク83.5Kg-m(3800rpm)、を発揮したとの事です。

しかも、1000回転で434Nmのトルクを発生して、かつ、最大トルクの90%(726Nm)を回転数2600~6000回転で発生するとのことです。

トルクは1000回転で約44.3Kg-mを発生。

チタンコンロッドやチタンインテークバルブ、アルミピストンや9.1という高圧縮化。ナトリウム封入エキゾーストバルブ、ピストンへのオイル噴射による冷却、ドライサンプシステムの採用。これらによって高回転化と潤滑・冷却による信頼性の向上など。

シリンダーヘッド自体のデザインは、スタンダード コルベット に搭載されているエンジンと同じ