今回はタイミングベルトについて、ひとくさりしてみたいと思います。現在、ドカに使われているベルトは、何種類あるかご存知ですか?

 私の知る限り以下の8種類です。(レーサーや特定のモデルにだけにむけた特殊な例を除く)

分類

P/N

歯数

適用

09価格

A

07価格

B

備考

(1-1) 0660-29-090 68 Pantah 3150 0.94 2620 1.20 角歯
(1-2) 7371-00-51a 68 SS/M750 6750 2.01 5540 1.22 丸歯
(1-3) 7371-00-11a 70 SS/M900 ST2 3360 1.00 3520 0.95
(1-4) 7374-02-11a 72 SS/M1000DS 9110 2.71 7790 1.17 ツインスパーク
(2-1) 7371-00-31a 95 851/916 9140 2.72 7550 1.21
(2-2) 7371-01-01a 93 MS4/ST4S 9110 2.71 7550 1.21 ヘッドが斜め
(2-3) 7374-01-24a 89 998/999 11990 3.57 9930 1.21 テスタストレッタ
(2-4) 7374-02-51a 88 1098s 7630 2.27 6320 1.21

 表の一番上から詳細を説明しますと・・・

●2バルブ
(1-1) スモールケース → 角歯(コグドベルトの歯の形状が四角い)
(1-2) スモールケース → 丸歯(後にプーリーがラージケースと共通になり、それに合わせてベルトの歯の形状が丸くなった)
(1-3) ラージケース → シングルプラグ
(1-4) ラージケース → ツインプラグ
●4バルブ
(2-1) 4バルブ → ラージヘッド初期型
(2-2) 4バルブ → ラージヘッド改良型 (=斜めヘッド:フロントタイヤとのクリアランスを増やすためにヘッドに傾斜角がつけられた)
(2-3) 4バルブ → スモールヘッド(テスタストレッタ)初期型
(2-4) 4バルブ → スモールヘッド改良型 (さらにヘッドがコンパクトになった)

という系統の分類となっています。

 (#スモールケースとはパンタ系およびそれが発展した後方排気の400/600/750のクランクケースといい、ラージケースはボアを拡大するため、スタッドボルトの間隔が増やされたクランクケースのことです。)

 表の歯数に着目すると、2バルブでは (1-1) から (1-3) 、(1-4) とエンジンが新型になっていくにつれ歯数が多くなっていきますが、これは概ねシリンダー長の増大=ストロークが長くなっていることを表しています。

 4バルブでは (2-1)、(2-2)、(2-3)、(2-4)と新型になるたび、2バルブとは逆に歯数が少なくなっていく・・・これはヘッドがコンパクトに、および/あるいはストロークが短くなっていることがその理由でしょう。

 ベルトの製造会社は当初はイタリア製だったのでしょうが・・・DUCATIがTPGに買収されるのと前後して(TPG主導の品質改良の一環として?)、USの Gates (ゲイツ)製に変更され、品質を飛躍的に上げた、と言われています。ベルトの表面を見ると PowerGrip UK とプリントされていますが、これはゲイツのタイミングベルトの商標のようです。(UKは英国工場での製造を意味しているのでしょう)

 最後に下世話な話ですが、価格について詮索してみましょう。

 まず2009年の価格をパーツ毎に比較してみましょう。その指数がです。これは (1-3) の900ss、M900用のパーツの価格を1とした場合、相対的にいくつになるかを示したものです。

 最大3.6倍弱の価格差!!う~ん、理解しがたい人は私も含め、多いのではないかと思います。以前、SPSのベルトは強化タイプゆえ、それだけ突出して値段も高い、云々と聞いたことがありますが(事実か未確認)、これらのベルト、一見するだけでは歯数=ベルトの長さ以外、違いが見受けられないんですよね。やはり、外から見えないだけで、金額差に見合う分、品質にも差があるのかなあ・・・としたら、なぜ (1-1)と(1-3)のベルトだけ、低品質で良しとされているのだろうか??

 なんにせよ分かりません。

 次に2009年と2007年の価格を比較してみましょう。その指数がです。単純に同じパーツが、07年から09年に至るまでに何倍になったかを示しています。

 (1-3)をのぞき、概ね1.2倍程度の値上がりを見せています。

 ここで同じ年月の間、円とユーロの為替がどう変化したかというと・・・円は対ドルには強かったのですが、対ユーロでは弱く、年月を経るにつれ、円安の傾向を見せてきました。具体的には、2007年6月では1ユーロ=160.88円だったものが、2008年12月では127.96円まで円が安くなっています。すなわち、ユーロが1.26倍になったわけです。(厳密には07年の価格決定時期を鑑みると、06年末の為替を参照すべきなのでしょうが、私の調査範囲では見つけられませんでした。)

 以上より、ベルトの値上がり率は概ね、為替の変動と正しく連動しているといっていいことがわかります。(ただし、すでに述べた通り、不思議なことに、(1-3)だけ値下がりの動きを見せています。はたして、これにどういう意図があるのでしょうか?)

 ちなみにオイルフィルターは、07年に1,310円だったものが、09年で1,920円、47%という為替変動以上の値上がり幅を示しています。ちょうど10年前、DUCATI JAPANができる前に当時の代理店が設定していた価格は2,100円で、それにじわじわ近づいていますね。(DUCATI JAPANができたとき、一気に1,200円まで価格が下がって、一ユーザーとして素直に嬉しく思う反面、そのとき結構な数をストックしていたため、複雑な気持ちになったことを覚えております)

[注]投稿中の価格表示には消費税は含まれておりません