ヨロヨロライダーのスゴウサウンドフェスティバル参戦記

1999/10/10

ヨロヨロレーシングチーム
監督=深川 俊也 メカニック=木下 弘 ライダー=寺山 一史 
マシン=’95 DUCATI 916Corsa(955cc)
木下メカが各部をチェックしつつ、タイヤ交換

●10月7日午後

いよいよWSBと併催レース、スゴウサウンドフェスティバルに参戦すべく、仙台に向けて出発。7時15分室蘭発のフェリーに乗るのに7時10分に港に到着!(オイオイ)
あわてて乗船手続きをしギリギリセーフ!
現地で今回お世話になるメカニックの木下さんと監督の深川さんと合流予定なのだ。

今回の参戦にあたっては、エントリー時にはピットクルライセンス保持者が最低1名いないと受付けてもらえず、私の周りには保持者もおらず取得してまで私の遊びにお付き合いなどしてくれる暇人などは更にいるはずもなく諦めていたところ、MLでお世話になっている木下さんが、「ライセンスは持ってるし、どうせWSBを見にいくのでお手伝いしてもいいですよ!」
と言って頂き、それじゃお願いします!と先立つ物もないままエントリー。

はたして私のようなレース経験も無く、スゴウも2回しか(しかも先導つき)走ったことがないし大丈夫だろうか??とフェリーの中で不安になる。
が、ビールを2本も飲むとケッ!とどうでも良くなり寝る。

●10月8日

朝、宮城県村田インターで深川さん、木下さんと合流。
今回初めて木下さんとお会いする。挨拶もそこそこにコンビニに寄り食料を調達し、スゴウ入りする。さっそく916を車から降ろすと、木下さんが一通り見てくれ不具合個所が数ヶ所見つかる。ハブダンパーが1個エキセン部分と干渉している!
マズイ!が、スペアを持って来ているのでスプロケットを十勝仕様の38Tから39Tと交換するついでにハブダンパーも全て新品に交換してもらう。
(なんとなく車に積んでおいたのだ!)
パラパラと他エントラントが集まりだす。雑誌で見たことのある方やマシンがチラホラ。皆さんタイヤウォーマーで温め、やったるで~と気合いを感じる(怖い!)

今日は公式練習30分が2本あり、午前11時すぎいよいよ1本目が始まる。ちょっと緊張しながらコースイン。2ケ月前の走行会に888SP5で走った時はかなり気持ち良く走れたので
今回は916だから数倍は気持ち良く走れるだろうと思いきや、重い!曲らない!
どうなっとんじゃ~とかなり焦る。次々と速い人達に抜かれて落ち込み、さらに2回ほどコースアウトし20分少々でピットに戻る。タイムはやはり悪く1分58秒(T_T)。数日前の練習走行でチームファンデーションの名越さんが軽く走って1分49秒だったと言っていたので自分なら50秒くらいかな?と根拠も無く勝手に考えていたのに~。ショック!
深川さんには「まぁコンスタントに58秒が出ていたからいいじゃない」と言って頂く。
また、私の916の主治医でもあるJRP福田さんには1コーナーで「ためすぎ」と指摘される。

2本目まで時間があるので気分転換(?)にオイル交換をし、フロントサスも調整する。
気分が乗らないまま、2本目に突入!1本目よりはいいが、まだ自分がイメージしているのとは違う。
1コーナーを「ためずに」早めにインに付くように心がけるのが精いっぱいで、そのうちブレーキの効きがスポンジーになり今回も20分少々でピットに戻るはめに。タイムは2秒詰めて56秒。

ちょっとマズイ!どうしょう・・・。こうなりゃ!と一応持ち込んだ新品のミシュラン。フロントにパイロットソフト、リアにTX25レース3ソフトに替える(これも気分転換?それまではそれなりに使ったダンロップD207GP)
リアの伸びを2ノッチ締め込み、フロントフォークの残が多いのでプリロードを抜き、ブレーキのエア抜きもし、明日の予選に備える。

●10月9日

朝、サーキットで受付の列に並んでいると私の916の前オーナーIA星選手に会う。
どうも、どうもと挨拶を交わし「いや~ぜんぜんうまく走れなくって」と言うと
「あの916は重い、今乗ってる748の方がずっと乗りやすいよ!パワーは十分だからストレートだけでも楽しめれはいいんじゃない」
みたいなこと言われてなんとなく救われた気になる。確かに、昨日の練習走行でもストレートだけは他車より明らかに速かった。(除くファンデーションさんのコルサ)他エントラントの方達も「なんだアイツ、ストレートだけは速い」と思っていたらしいがIA小野寺選手(916で全日本のスゴウラウンドに参戦中)が彼らに、私が今回様子見で参戦しているから・・・と根回してくれていたらしい。
(私自身そうゆうつもりでは無かったが、そうゆう事にする事にした)ありがとうございます!

いよいよ予選開始。他エントラントはやたら気合い入っているように見えるが私はいつもの練習走行のつもりでヨロヨロとコースイン。
新品タイヤなので最初はゆっくり走り、皮むきをしつつ温める。それでも結構スベル。
集団もバラけたところで徐々にペースを上げる。うん、うん、ブレーキも問題ない。
やはり木下さんに見てもらっていると安心してアクセルを開けれた。嫌いだったシケインの入口も少しではあるが走り方が解ったような気がし、イケイケで走っているとファンデーションの名越さんがSPインコーナーで転倒し、スポンジバリヤに張り付いていた。それを見た途端イケイケモードが冷めてしまったが20分の予選時間をフルに走りきった。
ピットまで押して帰る途中木下さんが笑顔で走って迎えに来てくれ53秒と伝えてくれた。
予選は33台中22位だった。

毎回ではあるがバックストレートから馬の背へのブレーキングがどうしても早く掛けてしまう。
単に怖いからだけなんだけどね~、あそこで少なくとも2秒は損してる。

練習走行1本目で58秒。2本目56秒。予選で53秒と順調(?)に詰めて来ているので明日の決勝では49秒を目指そう!と言うと、深川さんが「無理しない程度に」と抑えてくれた。
その後、富田@セナさんがご家族連れで応援に駆けつけてくれる。

明るい兆しが見えた所でホテルに戻り、イタリアンレストランでメシを食う。
残念なことに深川さんが決勝を見ずに帰京してしまう。多忙な身なのに応援に駆けつけてくれて感謝。
お礼を言うと「ハイ、ハイ、じゃ頑張って!」と相変わらずクールに駅に向って消えていった。

●10月10日

決勝の朝10時にサーキット入り。
決勝までの時間にナオエマシナリーの直江さんに車高を見て頂く、リアが上りすぎでは?と指摘を受けて少し戻したところでゲージを持って来て頂き測定すると標準値になっていた。フロントの数値は名越さんに伺い測ってみると標準値だった。これでメーカー推奨値になった訳だ。
あとはイジらずにこの状態で決勝に挑むことにする。
コース上ではWSBのヒート1が始まっていたがイマイチ見る気がしなく、かといって緊張してそれどころではない訳でもなく、うだうだしていると決勝の時間がやって来てしまった。

マシンを木下さんとコントロールタワー下まで押すと、丁度WSBの表彰式の最中でたくさんの人がいた。エントリー時にはきっと緊張するのだろうと思っていたが不思議なくらいリラックスしている。グリット上にマシンを移動しても何だか他人事のような気がして現実感がない。
富田さんの美人お奥様と息子さんもグリットまで来て頂き、一緒に写真を撮ってもらう。
フフフッ・・・きっとスタンドから見ている人は、僕の家族だと思っているのだろう。

スタート直前になって初めて気づいたが、スタートの練習はした事がなかったなぁ~(笑)と思ったらスタート!!下手に決めようと思わずエンストさえしなければ良いと思いヨロヨロとクラッチを繋ぐ。あっという間に5台に抜かれる。一つ下のグリットにいたファンデーションの藤巻さんのスタートは素晴らしいなぁ~と感心しつつ、私もいそいそと1コーナーへ。
今回の参戦では私はタイヤウォーマーは使わなかった(持っていないだけ)ので順位も気にしないで最初の1~2周は無理をせずに走る。少しづつペースを上げ、問題のバックストレートから馬の背の入口のブレーキングを少しずつ遅らせながら周回を重ね、周りの観客席をチラチラ見ながら、ヘヘ~彼らは私をどう見ているのかなぁ~と思いながら走るとチェッカーフラッグ!
クールダウン走行で1周しているとポストのオフィシャルが旗を振って労をねぎらって(?)くれる。
私もテキトーにどうも!どうも!と手を振りコースを後にすると友人丸山さんが迎えに来てマシンを押してくれる。予選時の木下さんといい、迎えに来てくれるのは嬉しいなぁ!
丸山さんから22位で50秒出たし、後半はリズムに乗って走っていたよと言って頂き、まぁ目標より1秒遅かったけどいいかなと思ったが、
すぐにもう一度走れればまだまだ詰めれるのに!
と思い直した。



練習走行で、1コーナーへの早すぎるブレーキング(笑)



深川監督もタイヤ交換のお手伝い。私は写真を撮って笑ってるだけ。



スタート!さて私はどこでしょう?



1コーナーから2コーナーへ




コーナーをかけ抜ける!が、ぜんぜん乗れてません(涙)


●気になった参加車両●


ビューエルに851/888のカウルを装着。ファットなイメージが似合います
ね。良く見るとタンクは900SS用。


外国人プレスに妙に人気があったF1サンタモニカ。916シートも意外に違和
感が無い。


インナータンク式の900SS、一体式タンクカバー・シート。


●WSBから●


文句無しにかっこ良い!が遅かったアプリリアRSV


ラジエターに注目。


フォギーの1コーナーへのブレーキング!


ドカのピットで。これはいいですね~、タンク等を地べたに置くのは抵抗ありますからね。


コーサーのスーパーポール、スタート!この後唯一の29秒台をたたき出す!



■写真:寺山一史 深川俊也さん 阿佐美登志子さん

■レポート


寺山一史
 北海道札幌市在住、職業:自営というかフリー
 気が付けば、DUCATI水冷4バルブ車を3台所有。そのクセ何も知らない・出来ない。そろそろ自分でヘッド脱着やベルト交換くらいは出来ないと金銭的に辛いと思い初めている。