一見、何の違いもみられないdb2のホイール。年式によってに微妙な・・・しかし知らないと場合によっては致命的ともいえる構造上の違いがあることをご存知ですか?


 手前の白いのが「前期型」、後のガンメタが「後期型」のホイールとなります。(前期、後期という呼称は、製造時期の違いから当方にて便宜的に命名しました)

 どちらも同形状のノーマルホイールですが・・・何が違うかと申しますと・・・


 数字が読みづらいのですが、ホイール・ハブの「厚さ」が異なるのです。

 前期型で約62mm、後期型で約70mm。すなわち後期型のほうが約8mm厚みがあるのです。
 私も社外のdb2用ホイールを取り寄せるまで、2種類あるという事実は知りませんでした。ええ、社外ホイールを取り扱っている製造元でも、それを知ってか知らずか、なんの区別も明記されていませんでした。(ちなみにそこの製品は後期型のハブ寸法を採用しており、前期型のdb2にはボルトオンでの取り付けはできません。ハブ幅を前期型に準拠しておけば、ディスクローターとハブの間に挟む込む、厚さ4mm程度のスペーサーを左右分用意することで後期型にも使用可能になるのですが・・・問い合わせた段階では、今後も設計変更する予定はないとのこと)

 ちなみにこの部分の変更は他のどこのパーツに影響を及ぼしているかというと・・・後期型では、フロントフォークのキャリパー取り付け部を、片側づつ4mm削り込むことで、ハブ幅が広がったことの帳尻合わせをしているのです。

 なぜここまでの面倒をしてまで、無意味とも思えるハブ厚のわずかな寸法変更を行ったのでしょうか?

 心当たりがあります。

 初期型db2では、キャリパーの裏側がホイールのスポークに接触することがあるのです。構造から普通に考えたら起こり得ないように思えるのですが・・・あくまで推測で・・・キャリパーが内側に引き込まれる方向に力が掛かると、フォークおよびキャリパー取り付け部の剛性の問題から、場合によってはキャリパーが、ホイール・スポークに接触するまで動いてしまうのではないかと・・・


 画像のキャリパーが接触と思われる痕の付いたものです。

 これを防ぐためにキャリパーがホイールのスポークから離れるようにホイールハブ幅の設計変更が行われたのではないかと推測するしだいです。いかがでしょうか?