今度市販されるBMWのG450Xって、同軸(コアキシャル) スイングアームだったんですね。言われてみるまで、気がつきませんでした。

g450×01.jpg

http://journal.mycom.co.jp/news/2008/09/01/034/index.html

量産車モデルにおいて初めて、スイングアームピボットとドライブスプロケットを同一軸上に配置。サスペンションの伸び縮みによるチェーンのテンションが変化しない構造となる。そのためスプロケット類やチェーンの摩耗が少なくなると同時に、パワートレインの負荷変動による影響が低減され、乗り心地も向上する。

 なんて書いてありますね。

 むむ・・・『量産車モデルにおいて初めて』という表現に引っかかる方は、イタ車好きには多いこと思われます。そう、少なくともビモータが、80年代初頭、すでに量産市販車に採用していることは、(一部マニア間では)有名な事実ですから。

  この量産車初という表現は、(おそらくバイクにさほど詳しくない)記事を書いた人の勝手な判断ではなく、やはりBMWから配布されたプレスリリースからの引き写しなんでしょうね・・・?

 だとしたら、ビモータくらいの生産量では量産ではない、という解釈か?あるいはビモータのは『本当の意味での』同軸ではない、と判断したとか?

 というのも、BMWのは、下にあるとおり、スイングアームピボットシャフトとアウトプットシャフトとが、構造を共有しているんですよね。(Fスプロケ交換にどれほどの手間がかかるのだろう!!)

g450×02.jpg

 一方、ビモータのほうはこんな感じです。

sb2.jpg

 量産車のエンジンを使用する制約から、スイングアームのピボット部は、アウトプットシャフト軸の延長線上に位置するに留まっています。(構造は共有しない。)もちろん、これで同軸が狙う効果は十分、達成されるのですが・・・(幅広の4気筒エンジンのさらに外側にピボットが位置するため、スイングアームが極端に湾曲しているのが特徴的で、視覚的にも大きな魅力となっていますね。)

 同軸のメリットは上の記事で書かれている通り・・・一方、デメリットもあり、というか、そのデメリットが致命的とさえいわれるゆえ、同軸スイングアームは一般的にならなかった、とされております・・・

元RC誌編集長竹田津氏のブログより
http://blog.sideriver.com/captain/2006/05/post_ccc1_2.html

ビモータSB2といえば、宇宙船のような前衛的なフォルムと、スイングアームピボットとドライブ軸(スプロケット)が同軸というコアキシャル・スイングアームを持つことで知られています。ちなみにKB2もコアキシャル。
え? 
スイングアームとドライブスプロケットが同軸?
と不思議に思われた方はかなりのマニアです。一般的に我々が親しんでいるバイクは、スイングアームのピボットと、エンジンのドライブ軸(ドライブスプロケット)がズレているのが当たり前だからです。そしてこの“ズレ”、つまりアンチスクワットアングルは、ライダーがスロットルを開けたときのスイングアームの動きを決め、乗りやすさ、トラクション性能を左右する重要なファクターなのです。
それが同軸だとどうなるのか?
乗ったことのある根本に聞いたことがあるのですが、ちょっと怖くて乗れたもんじゃないとのこと。
チェーンが伸びないとか、メリットはそれなりにあるのですが現在のバイクには使われていないチャレンジングな機構なのです。

 なんと、『怖くて乗れたもんじゃない』ですと!!(当時のRC誌のインプレッションにそんなこと書いてあったかしら??(笑))

 しかし、結果がすべてのレースの世界でも、70年代のビモータの純レーサーには、同軸スイングアームは、多数、採用されているんですよね。(市販版の同軸は、レーサーからのフィードバックなのでした)

 こうなると、G450X、是非、乗ってみたいですね。(そしてできるのなら、比較対照として、ビモータも・・・)

 現在、フロントフォークの主流であるテレスコピック・フォークは、実はBMWの発案なんです。そして昨今のBMW車に付いているテレレバー・・・実際に乗って感心しましたよ!確実に新しい領域を提案できていました。それも安全に!(デュオレバー車には残念ながら乗ったことありません)

 何を言いたいかと申しますと、BMWの輝かしい実績を引き合いに出すまでも無く、普通の判断力さえあれば、『怖くて乗れ』ないバイクを出してくることは考えにくい・・・むしろ従来の機構よりも優れた結果が出たであろうから・・・と信じたい、ということなんです。(イタ車は油断なりませんがね!)

 さてさて??

【オマケ】

http://www.honda.co.jp/factbook/motor/silverwing/200104/007.html

またスイングアームは、フレームにマウントされたエンジンのクランクシャフトと同軸上にピボットがあり、Vマチックを内蔵するスイングアームのみが上下動する構造となっています。

 これに至っては、ミッションを飛び越え、クランク(!!)と同軸ですが・・・

【オマケ2】

上の件でたまたま見つけた、同じく竹田津氏のブログより
http://blog.sideriver.com/captain/2008/08/post-779c.html

このクランクは、先日エンジン全バラにしたD16RRのもの。
オイルパンの中のオイルをかき回す抵抗をなくすため、
クランクウェブは、船の舳先のようになっているのです。
こういうディテールって、たまりませんねぇ。

  揚げ足取りと取られてしまうのは本意ではないですが・・・このコメントは、いくらなんでも・・・

 クランクウエブはオイルをかき回すことなど絶対にありません!!(オイルポンプの付いていない原始的なエンジンには、潤滑のためのオイルをかき上げるヘラがクランク軸にぶら下がっているものもありますが・・・)

 というのも・・・毎分1万回転で回っている半径5cmのクランク端部の速度は190km/hにも達します。この速度ではただの空気でさえかなりの抵抗になるのはご存知の通りですが、空気よりはるかに粘性も質量もあるオイルの中にクランクウエブを突っ込ませたなら・・・・そのエネルギーロスは計り知れないものでしょうし、ウエブに弾かれ、飛び散ったオイルでは安定した潤滑も無理でしょう。そもそもオイルの中をクランクがそんな回転数でまわることは不可能ではないでしょうか。

 それではクランクウエブの形状がああなっている理由は・・・重量軽減および、前述したように、高速回転する際の空気抵抗を軽減する形状になるようにも考慮された結果なのです。